タロットカードの起源
一説によるとフランスの1392年の『シャルル6世のタロット』が最古のカードとされていますが、学術的な根拠に乏しいためその真偽のほどは不明です。
また、15〜16世紀のイタリアでゲームや鑑賞目的として使用された『ヴィスコンティ・スフォルツァ』を起源とする説もありますが、これもまた根拠に乏しく、いずれにしてもはっきりとした起源はわかっていません。
ただ、現代でも多く見かける『マルセイユ版タロットカード』は、18〜19世紀のフランス・マルセイユ地方で作られていた『タロット・デ・マルセイユ」(Tarot de Marseille)』とほぼ同じ構図なので、遅くともこの時代にはタロットカードは存在していたものと考えられます。
ゲームから占いへ
タロットカードは元々はゲームや鑑賞、収集目的に使われていたカードでしたが、ある時を境にして占い目的として使われることになります。
それはフランス革命です。
この革命による社会、政治的な転換期を迎えた人々はその不安から占いに救いを求め、中でも芸術性の高いタロットカードに神秘的なも何かを感じる人は多く、タロットによる占いに目を向け始めました。
ちなみにこの時代、ジャン=バティスト・アリエットという占い師がフランスにいましたが、この人物がタロットカードを用いた占い法を確立し、タロットカードに関する著書を出版するなど、後世のタロット占いに大きな影響を与えたとされています。
ウェイト版タロットの登場
現代のタロットカードに最も大きな影響を与えているのは『ウェイト版タロット』でしょうか。
ウェイト版タロットとは20世紀の初頭、イギリスを中心にスピリチュアルな分野を研究していた『黄金の夜明け団』の一員であったアーサー・エドワード・ウェイトが『マルセイユ版タロットカード』に着目し、芸術家のパメラ・コールマン・スミスと共に作成したタロットカードです。
このウェイト版タロットは緻密でわかりやすいカード解説だけでなくその芸術性の高さから、イギリス国内だけでなくヨーロッパ全土やアメリカなどの国外でも人気を博し、より多くの人たちに知れ渡るようになったのです。
タロットの歴史が受け継ぐもの
タロットカードが誕生してから数百年余り。情報化が著しく進む現代社会においても愛され続ける理由には何があるのか、それは歴史的な背景はもちんのこと、今を生きる人々が失いかけている「何か」を伝えてくれる存在だからなのだと思います。
カードの一枚一枚に秘められたメッセージは、人間の持つ五感、さらには古来から受け継ぐDNAに直接訴えます。
人によってその受け取り方は様々かもしれませんが、このメッセージには人間が生きるためのヒントや人生を切り開く大切な道標になるでしょう。
そう、穢れなき自分史を続けていくために。